絵は何に描きますか?
日本画は、和紙に描くことが多いですが、その和紙をどう固定しますか?
ということで、今回は、支持体と言われるパネルについての基礎知識と、自作方法も説明します。
1 パネル
フレームにキャンバスを張る洋画と違って日本画の場合は、板に和紙を張る(貼らないで)ため、その板をどうするのかが課題となります。
小さいサイズなら、ボートに和紙が張られたものが販売されています。
厚みのない、和紙のボードも売っています。
また、小さい木で作られたパネルも画材店で販売されています。
大きさについてですが、画用紙なら、全紙を分割するので、四つ切りや八つ切りというサイズからあります。A版、B版というサイズでカットされたコピー用紙もありますが。
2 パネルの形
サイズは日本画も洋画に習った大きさのスケールがあります。
F、P、M、Sというアルファベット表示の後に、大きさの数字が書かれています。
Fは人物(figure)、Pは風景(paysage)、Mは海景(marine)、Sは正方形(square)
四つのアルファベットの並びでは、3つ目まではだんだん細くなっていきます。
Sは正方形なので、一番太いとも言えます。
人物とか風景、海景は、縦横の比率が、その絵に向いているということで示されているだけで、もちろん何を描くかは自由です。
3 パネルの大きさ
縦長を縦置き、横長を横置きとも言いますが、どう置くかも作家次第で、大きさは、長い方(長辺)の長さを数字で表します。
大きサイズでも小さくても同じルールなので、100号の場合を例にします。
100号に長辺の長さは、1620ミリメートルです。短辺の長さは、Fサイズは、1303ミリメートル、Pサイズは、1120ミリメートル、Mサイズは、970ミリメートルです。
当然、Sサイズは正方形なので、どの辺も1620ミリメートルです。
162センチって、人の背丈あたりですね。
数字を覚える必要は無いですが、4つのアルファベットは覚えておくと良いでしょう。
数字を間違えると額縁に入らなくなるので、数字は確認しましょう。
ネットで「絵画サイズ」と検索して確認するなり、
あるいは、サイズ表を印刷して掲示しておくといいですね。
注意点ですが、大きさの数字は、実際の長さに正比例して大きくなっているわけではないと言うことです。
100号が1620ミリメートルなら、50号が810ミリメートルかと思いきや、実際は1167ミリメートルです。
また7号や9号、70号や90号など欠番もあります。
絵画サイズの表を見ていると、303、727、970といった数字がいくつか見られます。何らかの法則性があるのかもしれませんが、謎ですね。
念のため、0号から始まっています。
ちなみに、1号と2号の間にサムホールサイズがあります。
更に細かい点ですが、
100と120の場合、長辺が1620ミリメートルから1940ミリメートルになりますが、短辺は同じとなります。
逆に、120号と130号の違いは、長辺は同じ長さの1940ミリメートルで、短辺が1303ミリメートルから1620ミリメートルになります。しかも、130のPとMはありません。(長辺が同じなので、Sは120号と同じになるので、これもない)
公募展などでは規定のサイズが求められたり、額縁や仮縁が合わなかったりするので、一般的な絵画サイズの表から大きさを選んだ方が良いと思われます。
4 パネルを自分で作る
小さなパネルは誤差が許されにくくなるし、きれいさの問題もあるので、購入することをお勧めします。
10号以上になってくると、使いたいサイズのパネルを注文して取り寄せてもらったり、工務店などで作ってもらったりする必要性が出てきます。
もちろん専門家が作ったものはきれいですし、問題ありません。
お値段的にやや安くなるので、ホームセンターなどで合板と角材をカットして、自分で組み立てても良いのじゃないかなと私は思っています。
DIYが好きなら、あるいは、いとわないなら、結構面白いですヨ。
合板は、厚さ0.5mmのベニアで大丈夫です。
ベニアは1800mm×900㎜で、1000円くらいです。
角材は、20㎜×20㎜がいいと思います。
長さは900㎜か1800㎜(1800㎜で600円くらい)
20㎜×20㎜は店によっては売っていません。
(カットする際に、1~2㎜短くしておくと良いかもいいですが、「微調整できません」とも言われます)
微妙に大きくできても、額や借縁はやや大きめですので、数ミリ大きくても大丈夫です。
カットしてもらったら、ボンドでべニアに角材を接着。
角材同士の接着面にもつけましょう。
分割パネルを作るには、ボルトでつなげることが必要です。
直径8㎜のボルトなら、8.5㎜のドリルで穴をあけます
(分割した両方のフレームに穴が必要ですので、ボルトとべニアを接着する前に、分割部分の角材を合わせて(養生テープで)、ドリルで穴をあけます(ドリルの扱いには十分気を付けてください)。
なお、ボルトの長さは、角材の厚さが20㎜なら、倍以上で、60㎜が良いでしょう。
長持ちするように、丁寧に行ってください。
5 まとめ
色紙(しきし)にも描けますし、板に直接、描くこともありますね。
(昔の)日本家屋にある板戸に書かれていたり、寺の天井板に書かれたり
表現方法の工夫として、いろいろ楽しめるといいと思います。
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